研究科長からのメッセージ

dean
熊本大学大学院
自然科学研究科長
宇佐川 毅
~集え、創造力豊かな国際人にならんとする有意な若人よ~

 大学院自然科学研究科は、理学部・理学研究科(修士課程)と工学部・工学研究科(修士課程)を基盤として、昭和63年4月に理学・工学融合の大学院博士課程として設置されました。その後平成10年4月に博士前後期課程からなる一貫した大学院に改組し、平成18年には大学院重点化と複合新領域科学専攻の設置、さらには平成22年に博士前期課程に数学専攻を設置し、現在の前期課程9専攻定員392名、後期課程5専攻定員62名の大学院となりました。平成28年4月には、教員組織として新たに大学院先端科学研究部が設置され、大学院自然科学研究科は大学院教育を担う組織に生まれ変わりました。
 大学院自然科学研究科は、養成する人材像として次の3点を掲げています。
 
① 社会の急速な変貌に伴って起こる様々な問題に対して、科学・技術の立場から柔軟に対処しうる豊かな識見と創造的、指導的能力を持つ人材
② 専門的能力を中心に、学際的・総合的・融合的能力を併せ持つ科学技術の急速な進展と高度化にすばやく対応できる能力を持つ人材。
③ 科学技術の立場から国際的に貢献できる技術者・研究者となりうる人材。
 
このような人材を養成するための大学院教育では、「グローバル化」と「イノベーション力」が重要なキーワードとなります。前者は、ややもすれば語学を中心にしたコミュニケーション能力のように受け取られがちですが、このキーワードの意味とするところは、言語・文化・習慣等の多様性を意識しつつ、国際的な場で自らの専門知識を存分に発揮できる人材となることと理解されます。一方、後者は、論理的な思考力と基盤的な専門知識を踏まえた応用力であり、されに新しい価値の創造に挑む意志をも含んでいると考えます。大学院自然科学研究科では、自らの専門性を高めるための大学院博士前・後期を通じ重層的に構成された専門科目に加え、他の分野の知識を習得するための異分野融合科目を提供しています。特に、英語のみで修了可能な国際共同教育プログラムの提供や、総合科学技術共同教育センターが産学官連携科目群・国内大学院連携科目群・国際共同教育科目群・大学院教養教育科目群を提供しています。さらに、全学共通の大学院教養プログラムも履修可能で、学生自身が主体的に学ぶ場を提供しています。また、世界に開かれた大学院として、外国人留学生のための教育環境を充実させ、多様な人材を受け入れた教育を行っています。
 社会情勢の変化は、止まるところを知りません。毎年のように、新しい知見が発見され、新しい科学技術が、社会構造自体に大きな影響を与えつづけています。その一方で、人知では超えることが難しいと思われる変災が発生しました。このような変災は、今後も日本国内にとどまらず世界中で起こる可能性を否定できません。このような急激な変化や、予知が極めて難しい変災に、柔軟かつ力強く対応できる人材として、日本の、そして世界の将来を担っていただきたいと思います。大学院で過ごす貴重な時間のなかで、より深く自らの専門知識を深め、より広い視野を備えることができるように自らを磨く場として、熊本大学大学院自然科学研究科を捉えていただければ幸いです。