大学院科学技術教育の全面英語化計画(GRASIUS)

本プログラムの活動報告

News Letter 2008.12 No.5

大学院科学技術教育の全面英語化計画(GRASIUS計画)の実施概要

自然科学研究科長/取組責任者 檜山 隆

 

大学院自然科学研究科では,国際的に活躍できる技術者・研究者を育成していくために,学生の異分野対応能力や実践的能力を涵養し,あわせて,国際社会でのコミュニケーションに必要不可欠である英語力の強化を図っています。前号の「自然科学研究科だよりNo.4」でもご紹介しましたように,現在,本研究科は教育・研究両面での国際化を一段と加速するために,平成19年度採択(平成19-21年度)の大学院教育改革支援プログラム「大学院科学技術教育の全面英語化計画(GRASIUS: Graduate School Action Scheme for Internationalization of University Students)」のもと,英語を共通言語とする教育カリキュラムの再編や新たな教育プログラムの提供を開始するとともに本研究科を国際的に魅力ある大学院とするために以下に述べるさまざまな取組を実施しているところです。

 

  1. 学生の海外活動支援:
    国際会議での研究成果発表や海外大学でのインターンシップに対する支援
  2. 学生の自立的研究活動支援
  3. 共同学位制度締結のための調査とその制定
  4. 国際共同教育のための教員の相互交流:
    教員の海外派遣と海外協定校教員の招聘
  5. 講義科目の英語化:教員の英語による教授法改善のためのFD活動支援
  6. 学生の海外派遣支援制度の拡充・整備
  7. 海外大学に対する広報活動:外国人留学生および海外大学教員の受入れ推進
  8. 本研究科主催学生国際会議の開催

 

本計画も本年度で2年目を迎えましたが,これまでのこれらの取組の実施状況についてご紹介したいと思います。

 

1.?学生及び教員の海外派遣
平成19年度は56名,平成20年度は112名の学生と教員を海外に派遣しました。学生にとって国際会議での論文発表や海外大学でのインターンシップは将来国際社会で活躍するためには必要不可欠であり多数の学生が海外経験を積んだことは大変喜ばしいことといえます。また、海外大学で講義を提供する教員の増加も本研究科が国際的に認められるために大変重要です。
2.?自立支援事業
博士後期課程学生が将来自立した研究者・技術者として国際社会の中で活躍するためには、研究プロジェクトの企画・マネジメントなど能力を身につけることが重要です。学生に自立した研究プロジェクトを立案・実施させるために研究プロジェクトを公募し、平成19年度は19件,20年度は9件のプロジェクトを採択し研究費を支援しています。
3.?英語能力テストTOEFL-ITPの実施
TOEFL-ITPテスト
TOEFL-ITPテスト
自然科学研究科大学院生,博士前期課程進学予定の工学部,理学部4年次生を対象に,英語力の強化と学年進行による学生の英語力の改善度を把握することを目的として,英語能力テストTOEFLE-ITP試験を実施しています。大学院生の受験者は平成19年度は60名,平成20年度は98名となり,受験者が増加していることからもわかるように学生の英語学習意欲は確実に高まってきました。また、本試験の実施が学生の英語力強化に大きく貢献しているといえます。
4.?科学英語演習科目の配置
科学技術英語科目のスクーリング
科学技術英語科目のスクーリング
大学院生の科学技術英語力を向上させるため,3名の外部講師による対話形式のスクーリングと学習ソフトを使った自学習を行っています。平成19年度は試行段階でしたが97名の学生が受講いたしました。平成20年度からは「科学英語演習Ⅰ(スタンダードコース)および「科学英語演習Ⅱ(パワーアップコース)」と正式に科目を配置し研究科共通科目として開講しています。スタンダードコースでは,108名の学生が受講し優秀な成績を修めました。また,現在51名の学生がパワーアップコースを受講中です。
5.?総合科学技術共同教育センター・国際共同教育部門
平成19年4月に設置した本研究科附属総合科学技術共同教育センター(GJEC:Global Joint Education Center)・国際共同教育部門では,海外大学より客員教員を招いて,大学院生向け専門科目の英語による集中講義を提供しています。幅広い分野での講義提供を可能とするための支援により本研究科に訪れる海外大学教員が年々増加していることは喜ばしい限りです。
6.?学生国際会議ICASTの実施
大学院生の英語による論文作成とプレゼンテーションに関するトレーニングの一環として,平成20年3月13-14日の2日間,本研究科主催の第1回学生国際会議International Student Conference on Advanced Science and Technology (ICAST Kumamoto 2008) を実施し自然科学研究科および海外大学より103件の論文投稿と100名を超える参加がありました。なお,第2回学生国際会議(ICAST 2008 Beijing)は,平成20年12月22-23日の両日,北京大学工学院との共催により北京大学工学院国際交流センターで開催します。本研究科からは約50名の学生が英語により研究成果を発表します。

ICAST Kumamoto 2008基調講演
ICAST Kumamoto 2008基調講演
ポスターセッション
ポスターセッション

 

以上,ご紹介しましたように大学院自然科学研究科が国際的に魅力ある大学院として海外に認知され,多数の外国人留学生や海外大学教員が定常的に在籍し,教育・研究両面でのより活発な交流が実施される場となることを願ってやみません。