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熊本大学大学院自然科学教育部Graduate School of Science and Technology

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教員特集

植物細胞の“画像解析”を通して、生命活動の「謎」を解明します。

熊本大学国際先端科学技術研究機構 准教授 画像生物学 植物細胞生物学
バイオイメージング 生物画像解析学
檜垣 匠

檜垣 匠(ひがき たくみ)のプロフィール

1981年大分県生まれ。東京理科大学卒。東京大学大学院先端生命科学専攻博士課程修了。同大学院新領域創成科学研究科特任准教授などを経て、2017年8月より現職。著書に『Photobook 植物細胞の知られざる世界』(2010/化学同人)。日本バイオイメージング学会奨励賞(2013)、日本植物学会奨励賞(2017)、CYTOLOGIA奨励賞(2020)受賞。

『画像生物学』という新しい領域に挑戦!

Q:檜垣先生のご研究内容を教えてください。

主に植物細胞を材料にして、生命を“可視的”に捉える研究を行なっています。具体的には、蛍光顕微鏡を使って植物細胞を観察し、撮影したデジタル画像をコンピュータで解析することで、細胞の動態や機能の解明を行なっています。新しい生命現象を視覚的に見出して、それを直感的に理解する研究を目指しています。私たちの専門は植物細胞の顕微鏡解析ですが、より広範に、画像を通して生命を可視的に捉える学問領域を私たちは『画像生物学』と呼んでいます。

Q:可視化することによって、生物学的にどのようなアクションが起こるのでしょうか。

歴史的に言うと、光学顕微鏡自体は17世紀に発明され、それによって初めて細胞が見つかり、細胞生物学が誕生しました。その後、特に20世紀に入って光学顕微鏡は目覚ましく発展し、細胞生物学も飛躍的に発展しました。このように可視化技術の進展に伴って、生物学の一大領域が生まれ、発展していったわけです。もちろん可視化といっても、既存の技術を使って“ただ見るだけ”では学問的な発展はあまり期待できません。先人が「これまで見えなかったものを見よう」と技術的な工夫を凝らしたことで学問が進んだわけです。私たちもそのようなマインドを引き継いだ研究を進めていきたいですね。

また、このような可視化に基づく生物学研究の醍醐味のひとつは、「当初は想定していなかったものの発見」だと思っています。例えば、本来は異なる目的で研究を進めていたけれど、その過程で新しいものが見えてしまい、その現象が非常に興味深いものだったので、そちらにも舵を切って研究を進める……ということは私たちの研究室ではよくあります。先の読めない、想定外の楽しさがありますね。

動画解析による新発見を今年2月に発表。

Q:今年(2020年)2月には、隔膜形成体の形を「アクチン繊維」が制御していることを発見され、話題になりました。

顕微鏡の動画解析によって、植物の細胞分裂時に出現する隔膜形成体の誕生直後の形を、アクチン繊維が制御していることが私たちの研究で明らかになりました。ごく短時間の出来事ということもあり、これまでは見逃されていた現象ですが、植物の細胞質分裂のメカニズムを考える上で重要な発見だと思っています。

植物細胞の分裂

Q:気孔のメカニズムについても新発見をされていますね。

私たちは植物細胞の形が劇的に変化する現象に興味があるんです。細胞分裂はかなり劇的な変化ですが、気孔の開閉運動も可逆的な変化という意味でとても面白いので研究しています。気孔は一対の細胞から成り立っていて、それが膨らんで開いて萎んで閉じて……を繰り返しています。具体的にはPATROL1という気孔開閉運動を制御しているタンパク質の細胞内での振舞いについて研究しています。このタンパク質をうまくコントロールすることでより効率的に光合成をさせて、バイオマスを増やすことも可能です。このタンパク質を過剰に作らせた植物では、条件次第ではありますが、野生株に比べると1.5倍ほど植物のサイズが大きくなることも報告しています。これらをうまく応用すれば、食料生産の増量などに貢献できるかもしれません。ただ私たち自身は応用展開よりも、より基礎的な課題、このタンパク質が気孔開閉運動に関わる仕組みの解明に注力したいというスタンスでいます。

植物の気孔

Q:先生の研究室では、医学や工学など異分野との共同研究をされています。

コンピュータを使って画像データをうまく処理することでこれまで人間が気づかなかった事柄を新たに見出す……という仕事を私たちは『画像解析』を使って行っていますが、これはとても汎用性の高い仕事です。植物細胞の顕微鏡画像に限ることではなく、工学・医学分野など異分野の画像にも比較的容易に展開することができ、現在さまざまな方と共同研究を行なっています。植物の研究者が、動物やヒトの研究分野の方と共に作業する機会はそれほど多くはないのですが、有難いことに私たちの研究室は異分野との共同研究を多くさせてもらっています。今年3月には、私の所属する国際先端科学技術研究機構(IROAST)の同僚である、工学系のRuda Lee先生と共同研究をし、論文を発表させていただきました。

顕微鏡が飛躍的に進展したのは20世紀。つまり、ここ100年で劇的に進化したことになり、まだ新しい分野と言えるかもしれません。今後も化学や物理学などを駆使した顕微鏡の改良も進むと思いますが、今まさにコンピュータサイエンス分野の発展によって、さらなるブレイクスルーが起きつつあります。今後も発展が見込める研究領域ではないでしょうか。

人間の観察眼を磨くことは必要不可欠。

Q:ハイテク技術がさらに生命の謎を解き明かす鍵となるのですね。

そうですね。ただ、私たちはコンピュータ画像解析を使って研究しているので意外に思われるかもしれませんが、実は学生たちにはアナログなアプローチ「スケッチ」も推奨しています。スケッチには、定量的な視点を持って対象をよく観察することが必要です。本質的には、コンピュータを使った画像解析と同じことが求められるわけです。例えば、細胞のどの部分がどのくらい明るいのか、構造物の形の縦横比はどのくらいか、といったように視覚から得られる情報をきちんと表現することは、画像解析そのものです。そもそも、「よく観察して考える」ことは生物学の根本です。生命活動の謎を解き明かすためには、コンピュータと人間が一体となって全力を尽くす必要があると考えています。人間も最近のコンピュータに見合うように観察眼をしっかり磨かないといけませんね。

実験植物のシロイヌナズナ

常に新発見がある、そこが魅力のひとつ。

Q:最後に、画像生物学の魅力を教えてください。

「常に新しい発見があること」でしょうか。世界中の誰もがまだ見たことがないものを、自分が初めて見るというのは何にも代えがたい経験です。私も大学院での研究ではじめて新発見をした時、とても光栄な気分になりました。学生たちには少しでもそのような体験をしてもらいたいと思っています。実際、例えば私たちの研究室で1年もきちんと研究を続けていたら、何かしら新しい発見をすることもあります。もちろん技術的な工夫は必要ですが、「新しい発見」は手の届くところにあると思ってほしいです。

もちろん研究というのは必ずしも上手くいくものではありません。特に先端的な研究となると、誰も歩いたことがない道を無理やり分け入るようなもので、うまくいくかどうかもわからないし、とても孤独な作業です。しかし、その孤独な道程で新しい発見を得た時の喜びこそが『画像生物学』の最大の魅力だと思っています。『画像生物学』はまだ新しい学問領域なので、これからも多くの仲間と一緒にこの分野を盛り上げていきたいと思っています。

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