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熊本大学大学院自然科学教育部Graduate School of Science and Technology

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熊本大学大学院自然科学教育部
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「多様性と全体性のあるまちづくり」を目指して

熊本大学大学院先端科学研究部 教授 熊本大学工学部土木建築学科
建築家
建築計画 都市計画 建築設計
建築デザイン 建築表現
田中 智之

田中 智之(たなか ともゆき)のプロフィール

1971年埼玉県生まれ。1994年早稲田大学理工学部建築学科卒業。1996年早稲田大学大学院修士課程修了。1996年早稲田大学大学院博士後期課程単位取得退学。NASCA、同大学専任助手、同大学芸術学校客員講師等を経て、2005年熊本大学助教授。2006年TASS建築研究所を共同設立。2007年熊本大学大学院准教授。2014年建築作品による博士号を取得(早稲田大学)。2018年より熊本大学大学院教授。主な作品に「熊本駅周辺地域都市空間デザイン(2005-/都市デザイン)」「渋谷駅解体(2011/ドローイング)」「京町の家(2014/住宅)」等。主な著書に『建築の森・熊本を歩く』『階段空間の解体新書』(ともに2018/彰国社)がある。

熊本の2大プロジェクト『桜町』や『熊本駅』をデザイン・マネジメント

Q:田中先生は、熊本をはじめ様々な地域の都市計画やまちづくりプロジェクトに関わっていらっしゃいます。最近のプロジェクトについて教えてください。

熊本市中央区桜町の交通センター跡地に昨年(2019年9月)オープンした大型複合商業施設『サクラマチ』を中心とした、桜町・花畑周辺地区のまちづくりマネジメントを行い、「熊本城ホール」の基本構想等も担当しました。現在工事中の『サクラマチ』前のオープンスペースも、基本デザインや監修を担当しています。現在の花畑公園と(仮称)花畑広場、辛島公園あたりが一体的に整備される予定です。また、2021年開業予定のJR九州『熊本駅ビル』(仮称)を含む、熊本駅周辺の都市空間デザインにも携わっています。

Q:『サクラマチ』の誕生によって、熊本の市街地全体が活性化されたように思います。どのようなコンセプトでデザインされたのでしょうか。

「広小路の継承」と「回遊性」の実現を目指しました。桜町というのは、江戸時代には広小路があった場所なんです。参勤交代の道筋を昔の絵図で調べると、熊本城から桜町のほうに道が下りて、花畑屋敷(※現在の花畑公園付近)のところで曲がり現在の市街地の方へと繋がる……というルートでした。この広小路は参勤交代だけでなく、普段は魚屋さんなどが商売をしたり、祭りを開催したりといろんな用途で使われていた場所だったんです。その歴史と空間性を継承しようと、プロジェクト全体でコンセプトを共有しました。もうひとつの「回遊性」ですが、熊本の街中はどうしてもアーケード街で足がとまってしまい、回遊性に乏しいことが以前から課題としてあがっていました。そこで、熊本城から中心街、新町・古町、熊本駅あたりまで、思わず歩いて巡りたくなるようなまちづくりを目指し、それらが実現できるような施設と広場をデザインしました。

Q:『サクラマチ』屋上にある庭園『サクラマチガーデン』は、街中に浮かぶ空中庭園のような空間で、熊本の新しい憩いの場となっています。

『サクラマチガーデン』のコンセプトは、エリア全体の「熊本城と庭続き・まちの大広間」と共通しています。熊本城の豊かな緑をつなぐイメージでデザインされています。商業施設内の広場・公園というだけでなく、多様な活動ができる「まちの大広間」という意識を、プロジェクト全体で共有できたのは大きいですね。来年誕生するオープンスペースでもイベントが開催される際は、施設の外階段でもある段状スペースに観客席のように座り、ビールを飲みながら音楽を聴くなど、劇場的な展開も考えられます。施設もオープンスペースも、多様に多目的に使われる空間になることを目指しています。

「純粋なもの」を目指し、論理的・体系的にアプローチを

Q:プロジェクト全体で意識を共有することは大事ですが、そこに至るまでは大変かと想像します。田中先生はどのようなアプローチで設計を提案されるのでしょうか。

建築やまちづくりでは、純粋に自分の考えや理想を展開できないことが多いんです。法律や予算、納期などの制約があるため、どこかで折り合う必要があります。ですから「完全なるもの、純粋な理想」を作るのは難しい。しかしできるだけ妥協せず「純粋なもの」を目指すために、“演繹的”アプローチで設計提案をしています。つまり、「純粋なものを追求する」ことを先に行うわけです。例えば理想を追求したパースや模型を作り、それに基づいて、実際に街中を歩いたり、様々な調査を行い考察していくと、新たな知見が得られますよね。それらを最初の「純粋なもの」にフィードバックしていく。このように、論理的に、また実践を通じて体系的にまとめ、外部化して社会と共有できるようにしています。『サクラマチ』周辺のオープンスペースも、まずは私の手描きパースをもとに、設計・工事の方々と意識を共有し、限られた予算と時間の中でどこまで実現できるかを、具体的な図面に起こしてもらいました。建築家やデザイナーはもともと演繹的アプローチでデザインをしてはいますが、体系的にまとめることはあまりない。大学としてプロジェクトに参加するので、論理的に実践を通じて体系化し、社会と共有できるようにしています。

Q:都市設計やまちづくりにおいて、田中先生のなかに「譲れない信条」というものはありますか。

各プロジェクトで目指すものや条件が異なるため一概には言えないのですが、あえて言葉にするならば「多様性と全体性を両立する場所や空間のデザインを目指す」ことでしょうか。桜町でも熊本駅でも、多様な使われ方や過ごし方ができる場所がありつつ、場所として一貫性や全体性を持った「まとまりのあるデザイン」を目指しています。多様性と全体性の両立は矛盾する関係に近く、実現は難しいのですが、その困難を乗り越えるために色々と試行錯誤をしています。私は多様性と全体性は、実は両立できるのではないかと考えています。

少子化社会、自然災害大国における「これからの建築」

Q:日本では自然災害が多発しています。これからの都市計画や建築は、防災・復興など社会的な変化に対応していかなければなりませんよね。

高度経済成長期とは異なり、建物をどんどんつくり都市化する時代ではなくなりました。少子高齢化社会に突入し、自然災害なども重なってくる中で、都市の余白、つまり「ちょっとした遊びのような空間の価値」が再認識されています。それをうまく建築と絡ませながら、あるいはまちづくりと一体的に考えながら、日常時もきちんと使えて、非日常時も機能させることが求められています。つまり普段はイベントが開催できる空間であり、災害時には避難場所として機能できるような場所です。これは都市計画やまちづくりなどのハード面だけではなく、住む人・関わる人すべてが共有して運営していくというソフト面も含まれます。難しい課題ですが、非常に取り組みがいのあるテーマでもあると思います。建物も「寿命がきたから壊す」という時代は終わり、リノベーションをして長く活用していく時代になっています。少子化や世の中の流れの変化で、“建築の床”が余っていくことが予想され、その余った床をどう活かしていくかが、建築やまちづくりの重要なテーマになっていくのではないでしょうか。

Q:熊本駅ビルとサクラマチのオープンスペースが誕生すると、熊本の街はさらに活気づきそうで、楽しみです。

そうですね。熊本市、経済界そして熊本大学が協働して、熊本の中心街や熊本城、熊本駅間を“歩いて楽しむ”まちづくりを構想しています。そのためには、熊本城の麓にある新町・古町が要になると考えています。地元の人も観光客も、楽しんで歩いているうちに熊本駅までたどり着いた……となるのが理想です。これは「30年後の熊本のビジョン」としてすでに動き始めています。将来を見据えてまちづくりを行うことは非常に大切なこと。新しい建築をつくる際には、そのまちの将来像や全体像を構想しておくことはとても重要です。今この瞬間だけではなく、30年後の熊本がさらに魅力的になるように、今から計画しています。

田中先生の手描きパース。通称『タナパー』は書籍としてもまとめられている。手描きにこだわるのは「CADと異なり自由度が高く、伝えたいことを優先して構図の作成やデフォルメが可能だから」と田中先生。

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