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熊本大学大学院自然科学教育部Graduate School of Science and Technology

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微分幾何学の成り立ちを理解し、「まだ捉えきれていない何か」を探求し続けています。

大学院先端科学研究部 准教授 基礎科学部門数学分野 安藤 直也

安藤 直也(あんどう なおや)のプロフィール

平成8年東京大学理学部数学科卒業、平成10年東京大学大学院数理科学研究科修士課程修了、学術振興会特別研究員(DC2)、MaxPlanck 研究所(Bonn)客員研究員、平成13年東京大学大学院数理科学研究科博士課程修了、学術振興会特別研究員(PD, 東京都立大学)、平成14年より熊本大学理学部講師、助教授、大学院自然科学研究科助教授、准教授を経て現職に至る。

空間や図形の性質を微分法を用いて調べる『微分幾何学』

Q:安藤先生の研究内容を教えてください。

 専門分野・研究内容を大まかに言えば『微分幾何学』です。空間や図形の性質を、微分法を用いて調べる分野です。実際には微分幾何学は位相幾何学(トポロジー)や代数学、解析学の様々な分野と関わりなから発展してきています。また、微分幾何学の中では曲面論を専門にしています。
 微分幾何学がどのように発生したのかは微分幾何学の理解において重要だと思っているので、学生たちにも必ず理解してもらうようにしています。

微分幾何学の歴史とは

Q:微分幾何学の成り立ちとはどのようなものなのでしょうか。

 そもそも『微分積分』という強力な数学が400年位前に確立しました。それがどんどん応用されていき、時代が進んできたわけです。
 その中で幾何学についての理解も進み、微分積分を用いて図形の幾何学的な性質がわかるようになってきました。古典的な曲線論・曲面論は18世紀から19世紀にかけて形作られましたが、これは微分法を用いて曲線や曲面の形状についての議論がなされたことによります。
 有名な名前を挙げると、まずオイラー。オイラーは数学のありとあらゆる仕事をしていた人で、曲面の形状を把握するやり方を現在知られている形(例えば、法曲率に関するオイラーの定理)で残した人でもあります。
 その後にガウスが曲面論を著しましたが、その中に『Theorema egregium』(『驚異の定理』)が現れます。この定理は、ガウス曲率は第一基本形式によって決定されることを述べています。
 そして、リーマンはこの『驚異の定理』に基づいて、現在『リーマン幾何学』と言われる幾何学を提唱しました。オイラー、ガウス、リーマン、この3人の仕事をまずきちんと捉えることが、微分幾何学を理解する上で大切です。
 400年経った現在も魅力の褪せない内容を持っている『微分積分』が、数学の分野に限らず、物理をはじめとする様々な分野に応用されながら発展してきました。幾何学の世界にもその影響が及び、オイラーやガウスたちによる古典的な曲面論、そしてリーマンによる『リーマン幾何学』の提唱によって『微分幾何学』が誕生しました。

まだ捉えきれていないものを探求し議論をしていくことが魅力

Q:先生にとって、微分幾何学の魅力とは?

 もともと幾何学には関心がありましたが、学生のときにガウスの『Theorema egregium』を知り、微分幾何学に強い関心を持つようになりました。私の研究対象は曲面の各点での主方向によって構成される場である主分布。曲率線とは曲面上の曲線で、各点での接線が主方向となっているものです。従って私の研究対象は曲率線であるともいえます。
 リーマン幾何学が微分幾何学の出発点を与えていると思うのですが、一方で曲面というものを調べる立場に立った時、リーマン幾何学だけで曲面が語れるわけではなく、空間の中で曲面がどのような形になっているのかがまだ議論しつくされていません。リーマン幾何学を踏まえつつ、一方で曲面の形状についてまだ「捉えきれていない部分」に関心を持って研究を続けています。今後も様々な空間の中での議論に挑戦していきたいと考えています。

不器用でも「自分なりの議論」をすることが大切

Q:数学を学んでいる学生、またこれから学ぼうとしている人たちにメッセージをお願いします。

 数学の研究者は、整った考え方の体系を作る、見出すことに非常に強い関心を持っているのではないかと思います。何に取り組むかは異なっても、おおよそ同様の考え方をしているのではないでしょうか。自分が興味を持ったものをまずは丁寧に調べる。それに関係があるものをできるだけよく整理された形で説明できるような理論を作る。あるいは新しい例を発見する。しかし、いくら調べてもわからないということもあります。それは着目した論点がずれていた、或いは多くのものを説明するような論点ではなかったということで、壁にぶつかることはしょっちゅうあります。
 そのような時に、異なる見方で物事を捉える、論点を設定し直すことによって説明できるようになることもあります。これは、人間にとっては考え方の体系を「獲得した」という満足につながるのではないでしょうか。数学の研究者はそのような満足を得たくて、探求し続けているのだと思います。

よく「数学はなんの役に立つのか」という指摘がありますが(笑)、実はこれは2000年以上前から言われ続けているようです。紀元前300年頃にユークリッドという数学者がいて、数学に限らず科学のあらゆる教科書の元祖と言える『原論』を著した人物なのですが、そのユークリッドがたびたび同じような質問を受けていたらしいのです。王様から「幾何学をもっと手っ取り早くわかる方法はないのか」と言われた際に、ユークリッドは「王様、数学に“王道”はございません」と答えたのだとか。また、『微分積分』が確立したのは、それそのものにも関心はあったのでしょうが、むしろ天体の動きを説明する必要があり、微分積分に基づいて天体の動きを説明しようとしたことによるのだろうと思われます。もちろん数学そのものの魅力や美しさへの関心に基づいて探求されることはよくあるでしょうし、一方で力学や電磁気学をはじめ自然科学の様々な分野で数学的な議論がなされています。それらが混ざり合って数学という分野が形作られているように思います。
 学生のレポートを読んでいて思うことは、議論がきちんと論理的に整っている……、もちろんそれは望ましいことですが、けれども他の誰かも大体同じように書いてくるのではないかというものを書く学生がいる一方で、不器用だけれども「自分なりの議論と証明」をなんとか書き上げてくる学生もいます。私はその「不器用だけれども、自分なりの考え方で議論しようと試みた」その点を絶対に見逃さないようにしています。数学では「自分なりに議論や証明を試みる」ことは非常に重要だと信じています。そのような議論から、もしかしたら新しい発想、新しい論点を見出しそして新しい理論を発見できるかもしれません。
 日本人は世界的にみても非常に細やかな考え方、議論ができる人たちだと思います。外国の人がみたら「取るに足らないこと」「まわりくどいこと」に、一生懸命取り組む姿勢の人が多いかもしれません。それが「なんの役に立つのか」と言われると元も子もない場合もありますが、日本人のメンタリティとして「いかにも役に立つことだけしかしない」というのはあまりないのではないかと思います。日本人の美学、こだわりみたいな精神は、数学でも発揮されるはずだと思うことがしばしばあります。

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