
新しい時代を切り拓く自然科学の創生を熊本から
先端科学研究部は、科学技術の急速な進歩・発展に対応するため、分野毎の専門性の深化と、従来の学問体系を超えた学際的な研究領域の開拓が可能な組織体として、大学附属研究所・センター等の専任教員を除く理学部及び工学部の全教員が所属することを特徴として、平成28年4月に教員組織として発足しました。先端科学研究部は、地球環境共生と活力ある社会の持続的発展に貢献する自然科学とその応用技術の高度な学術研究拠点の構想を目指し、理学部と工学部の連携と協力により、独創的かつ先導的な学術研究と社会的要請に応える応用研究を推進し、科学技術の総合的な深化と新科学技術創成、並びに大学院の個性化を達成することを目指しています。
大学院先端科学研究部は、「基礎科学」「物質材料生命工学」「産業基盤」「情報・エネルギー」「社会基盤環境」の5部門31分野から編成されています。基礎科学部門は、理学系の教員により構成され、従来の「数学」「物理科学」「化学」「地球環境科学」「生物科学」に「総合理学」を加え6分野体制としました。一方、「物質材料生命工学」「産業基盤」「情報・エネルギー」「社会基盤環境」4部門は、工学系教員により構成された23分野からなっており、それぞれの4部門は、工学部4学科及び大学院自然科学教育部博士前期課程4専攻と対応する体制となっています。さらに、平成29年以降に「あつまる新シルク蚕業開発共同研究分野」と「半導体プロセス評価共同研究分野」が加わっています。また、令和3年度には、農業県・熊本のコアになる世界トップ研究拠点として、農学研究分野における基礎研究から応用研究までを一体的・組織的に推進し、地域・社会への貢献を目的として、「先端科学研究部附属生物環境農学国際研究センター」を設置しました。さらに、令和4年度には、デジタル社会を支える重要基盤である半導体分野の研究開発を推進し、産学官共同研究や国内外の研究機関・企業との連携強化に取り組むとともに、社会からの要請の高い半導体分野の教育を受けた高度人材を輩出することを目的として「先端科学研究部附属半導体研究教育センター」を設置しました。
先端科学研究部では、自然科学系の科学技術を総合的に深化させ、新たな科学技術を創成すると共に、国際水準の質の高い独創的な基礎研究と社会の持続的発展に貢献する実践的な応用研究を推進し、社会の多様な要請に応えることを目的として最先端の研究が行われています。理学と工学の連携及び異分野融合の学際的研究の推進により、地球環境共生と活力ある社会の持続的発展に貢献する先端基礎科学とその応用技術の高度な学術研究拠点の創生を進めてまいります。