よこうち ゆうじ Yuji Yokouchi
博士(理学) ゲノム編集法の開発 特任教授
分子農学部門
研究紹介
動植物を問わず、種のゲノムは多様性に富んでいます。ヒトゲノムの多様性は、個人の形態学的特徴や体質の違いを生み出します。一方、農作物におけるゲノム多様性は
その生理学的特徴や品質を決め、新たな品種を生み出す原動力になります。私は、このような多様性を生み出す一塩基多様性(Single Nucleotide
Variation, SNV)をゲノムレベルで制御する手法として「アレル特異的一塩基置換法 One-SHOT」を開発しました (Yokouchi
et al. 2020)。この手法を応用して農作物の品種改良を行なっています。
現在取り組んでいる研究テーマは 「ロングライフ果物の開発」です。果物が熟れる現象、登熟(ripening)は、成熟ホルモンであるエチレンによって促進されることが知られています。中でも、メロン、モモ、バナナといった果物は、エチレンシグナルの増幅回路が組み込まれており、一度登熟モードに入ると急速に熟していくクライマクテリック果物に分類されます。これらの果物は完熟すると芳香を放ち魅力的ですが、日持ちが特に短いため船便による長距離輸送には向いていません。
当研究室では、このクライマクテリック果物のエチレンシグナル回路を適度に制御することでゆっくりと熟すロングライフ果物を開発します。開発が成功した暁には国産果物の輸出が大きく拡大することが期待できます。
略歴
1992.03:東北大学 大学院理学研究科卒業 理学博士
1992.04 - 1993.03:東北大学 抗酸菌病研究所 日本学術振興会特別研究員
1993.04 - 1998.03:名古屋大学 理学部分子生物学科 助手
1998.04 - 2000.05:Harvard Medical School 日本学術振興会海外特別研究員
2000.06 - 2011.03:熊本大学 発生医学研究センター・同発生医学研究所 教授
2011.04 - 2014.10:熊本大学 生命資源研究・支援センター 特任教授
2014.11 - 2020.09:福島県立医科大学 多能性幹細胞研究講座(寄付講座)教授
2020.10 - 2024.03:熊本大学 発生医学研究所 シニアサイエンティスト
2024.04 - 現在: 熊本大学 生物環境農学国際研究センター 特任教授
お問い合わせ
Tel:
096-342-3558
Email: yokouchy(at)kumamoto-u.ac.jp
Address:
〒860-8555
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黒髪南地区 共用棟2 403号室